端午の節句のまめ知識

● 初節句とは?

男の赤ちゃんが生まれて、初めて迎えるお節句(5月5日の端午の節句)を初節句といってお祝いします。生まれたばかりの赤ちゃんが、丈夫に、たくましい男性に成長するように、お願いを込めてお祝いする行事で江戸時代から続いているならわしです。

 

● 5月人形とは?

長い武家社会の中で、鎧や兜は男子にとって非常に大切なものでした。戦いでの身体防御として、鎧、兜は身を守る大切な役目をもっていたため、今日では、その精神を大事にし5月人形として鎧や兜を飾るようになりました。男の子の誕生を祝い無事に成長し、強く、立派な男性となるようにとの、ご家族の願いがあります。つまり、鎧や兜が身を守ってその子に災いがふりかかりませんように、受験・就職・結婚など、人生の幸福に恵まれますように、と言う思いが込められているのです。

 

● 鯉のぼりはなんの為?

鯉は清流はもちろん、池や沼地でも生息できる非常に生命力の高い魚です。その鯉が、急流を上がり、竜門と言う滝を上がると竜になって、天へ昇ると言う中国の伝説(登竜門の由来です)にちなみ、どんな環境ににも耐え、立派な社会人になるようにとの、子供の立身出世を願う飾りなのです。また、男の子が生まれた事を、天の神様に「どうか我が子を見守ってください」とお知らせする目印にする為鯉のぼりを立てると言う節もあります。

 

● 5月人形は誰が買うの?

一般的には、お嫁さんの実家から贈られるとされていますが、今日では、可愛いお孫さんの為に両家で折半することもあります。鯉のぼりはお嫁さん側で、5月人形はご主人側で用意することもあるようです。しかし、地方によってはしきたりが残っている場合もあります。

 

● 5月人形はいつ飾るの?

5月5日の出来れば、10日前から20日前には飾りたいものです。また5月人形を飾る事が重要なので、人形を買ったり、配達してもらうのは大安の日などにこだわる事はありません。むしろ混雑する日曜日や大安の配達を避けるのが賢明です。

 

● 5月人形は誰が飾るの?

男の節句と言う事で、おじいちゃんやお父さんなどの男性が飾るのが良いとされていますが、一家中で飾るのがよいでしょう。

 

● 5月人形はいつしまうの?

季節の節目と意味の節句の由来を考えると、5月5日の節句を過ぎると飾る意義も薄れてしまいます。お節句が済んだらなるべく早めに、遅くとも中旬頃までの天気の良い日にしまいたいものです。

 

● お返しはどうしたらいいの?

仲人、親戚や知人等から初節句のお祝いを頂いたら内祝いとして、お子さんの名前でお返しします。お礼の手紙に、お赤飯か紅白の角砂糖などを添えればなお喜ばれるでしょう。但し、お祝いを頂いた方達をお祝いの席に招待出来ればお返しの必要はありません。

 

● 端午の節句のお祝いは?

本来は5月5日の当日、又は前の晩(宵節句といいます)にお招きします。なるべく5月5日を過ぎる事は避けましょう。両家の両親や、お祝いを下さった方、普段親しくしている方は何も持って行く必要はありません。

 

● 端午の節句料理

   端午の節句料理には、鯛や栗、ちまき餅がつきものです。

 

● 端午の節句につきものの「菖蒲」(しょうぶ)

端午の節句と菖蒲は切っても切れないものです。菖蒲は悪魔を払うと言われ昔から端午の節句に使われます。家の屋根や軒先にさしたり、お酒にひたして菖蒲酒にしたりして飲んだりもします。また、菖蒲枕と言って枕の下に敷いたり、お湯の中に入れて菖蒲湯にして入ります。いずれも、身体に悪い気がつくのを防ぐと言う意味から使われる慣わしです。

 

● 次男、三男が生まれた場合は?

五月人形は赤ちゃんの身代わりとなって厄を受けています。一人一人のお守りなのです。神社のお守りを2つに割って、2人で分けることはしないのと同じように、父親の五月人形を譲り受けたり、兄弟兼用にしたりすることは避けたいものです。何かの事情で人形を持っていられなくなったら、全国各地で人形供養が行われているので、供養を受けてからおさめてもらいましょう。
 
以上のしきたりは、もちろん標準的なものです。全国各地にはさまざまな風習、しきたりがありますので、当然主人側の実家とお嫁さん側の実家で違う事も考えられます。(旧暦や月遅れでお祝いをしている地域は現在でもかなりあります)要はお互いの理解と気持ちの問題です。電話や手紙などで良く話し合って、その違いを深く理解した上で、楽しいひな祭りをお祝い下さい。

 

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